『歸國(きこく)』を観て
8月14日終戦記念日の前日、旧盆の前日というべきか・・・TBSで『歸國(きこく)』なるスペシャル番組を観た。昭和一桁生まれの父と十一年生まれの母から記憶にある限りの戦時中の話をよく聞かされた。海軍兵学校に志願しその入学と同じくして終戦を迎えたという父は、戦争は二度とあってはならない、その悲惨さや残酷さを、思い出したくないと言いながらも、あの惨禍を風化させていけないと、平和の尊さをかみ締めながら私に言い伝えたのだろうと思う。母は戦地で亡くなった兄のことを語りまたその家族の悲しみをしみじみと話す。
ほんの10年くらいまえまで終戦記念日8月15日正午には例えどこに居、何もをしていても、サイレンとともに頭を垂れ黙祷をする人たちを散見したし、私が子供のころは、親にその意味を諭され真似るごとくに黙祷をした。
しかし、最近残念ながらその姿を見ることはない。まちを歩く人たちを見ても、ショップで働く社員も見てもまるで関係のないことのようだ。絶対に風化させてはいけない。そう強く思う。
『歸國(きこく)』番組の最後に秋吉部隊長が、立花報道官に言う。現代人は「豊かさと便利さ」を履き違えている。「便利さとはただの横着だと・・・」。この言葉がやけに気になった。
果たしてかの英霊たちが、現代の8月15日の正午を見たら、何を思うだろうか。