3月の花 サクラ
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花ことば 純潔‐淡泊・精神的な美
バラ目バラ科サクラ属サクラ亜属又は(サクラ節)に含まれる植物群の総称で、サクラという特定の
植物は存在しません。しかし一般的にはサクラといえば、古くはヤマザクラ、明治以降ではソメイヨシノをさす事が多いようです。
サクラ亜属はヤマザクラ群、ミヤマザクラ群、マメザクラ群、チョウジサクラ群、エドヒガン群、カンヒザクラ群の六つに大別され、さらにこれらを母体とした変種、交配種を群の中に、系列を作り分類、園芸品種を数えると三百余種になります。清水市近辺で私たちの目に付くのは、葉が出ないで花が先に咲くソメイヨシノ。赤い葉と花が同時に楽しめるヤマザクラ。青い葉と白い大型の花のオオシマザクラ。二月頃に咲くヒカンザクラ。八重咲きのヤエザクラ。さて万葉集(七五九年)でわずか三十数首しか詠まれなかったサクラが、新古今集(一一〇五年)では百余首を数えるようになりましたが、この間の我々祖先の心にどのような、植物に対する美意識の変革があったのでしょうか。花が散り急ぐさまを惜しんで詠嘆する、日本文学特有の考え方は、平安時代(七九四年-一一八五年)からで、京都御所前庭の左近のウメがサクラに変わったのもこの頃(九六三年)だといわれます。室町、戦国時代には、数々の園芸品種が作出され、サクラ文化は江戸期に入り、全盛を誇ったようです。幕末、江戸染井村の植木屋から新種のソメイヨシノが発表されてからは、接木によって容易に増やせる事と、花も大きく美しく、生育も非常に良く、花付きも良いので、急速に東京を中心に広まり、今ではサクラといえばソメイヨシノをさすまでになりました。
明治時代以後、太平洋戦争にいたる頃「散華」思想のシンボルとされ「いさぎよく散る」というサクラ観がありましたが、これは、何もサクラが悪いわけではなく、むしろサクラは春四月平和なのです。 原産地は朝鮮、中国、台湾、ヒマラヤ地方。特に美しいのは日本。
第24号 1983年4月